肝臓内科について

肝臓は、昔から、沈黙の臓器と言われています。血液検査で肝機能異常が認められても、生活に支障がないことが多く、自分でも気が付かないうちに、病気が進行してしまうこともあります。
このため、肝臓の病気は、早期発見、診断、治療が大切になってきます。
ウイルス性肝炎(B型、C型肝炎)は、この20年間で治療方法が飛躍的に進歩してきました。ウイルスの増殖を抑えたり、排除する飲み薬が開発され、肝硬変や肝臓がんへの進行も抑えられるようになってきました。当院では、ウイルスに応じた薬を選択し、治療を行っていきます。
また、近年では、脂肪肝も注意が必要な病気とされています。アルコール性脂肪肝はもちろんですが、アルコールを飲まない方で、肝機能異常を伴う脂肪肝(非アルコール性脂肪肝炎)も、肝硬変や肝臓がんのリスクとなることが分かってきました。
このほか、自己免疫性肝炎、原発性胆汁性胆管炎についても診療しております。
肝臓の病気は、お薬の有無にかかわらず、定期的な診察、血液検査、画像検査(腹部エコーなど)が必要になります。医師と患者さんの二人三脚で、診療を進めていければと考えています。健診などで、肝機能異常を認められた際は、一度、ご相談ください。

主な診療内容

B型肝炎、C型肝炎、肝硬変、脂肪肝、非アルコール性脂肪肝炎、自己免疫性肝炎、原発性胆汁性胆管炎など

肝臓内科へ始めて来院される際は、健康診断などの結果をお持ちの方はご持参ください。また、当日、採血やおなかのエコー検査を行いますので、午前の受診であれば朝食を、午後の受診であれば昼食を食べずに来院下さい。

肝臓学会の専門医が診療します

当院の肝臓内科では、日本肝臓学会の専門医である院長が中心となり、B型肝炎、C型肝炎などのウイルス肝炎をはじめ、生活習慣病に起因する脂肪肝など、肝機能障害に関する診療を幅広く行います。手術などが必要になったときも、約20年間にわたって大学病院などで培ってきた人脈で適切な医療機関をご紹介いたします。

当院の肝臓内科で
扱う主な症状

  • 最近、食欲が落ちてきた
  • 少し動いただけでも疲れやすくなった
  • なんとなく倦怠感がある
  • お酒が飲めなくなった
  • 悪酔いすることがある
  • 赤茶色の尿が出てきた
  • 白っぽい便が出ることがある
  • 鏡で目などを見ると黄疸が出ている気がする
  • 微熱が続いている
  • 皮膚がかゆい
  • 健康診断の際に、肝機能の異常を指摘された など

当診療科で取り扱う代表的な疾患

B型肝炎

B型肝炎は、B型肝炎ウイルスに感染することにより発症する病気です。主な感染経路は、母子感染、性的接触、輸血、臓器移植、刺青、針刺し事故などが考えられます。B型肝炎に感染した時期や健康状態によっては、一過性感染で終わるケースもあります。しかし、6ヶ月以上にわたって感染が持続してしまい、B型慢性肝炎になるケースも少なくありません。この場合は、内服薬などによってウイルスの増殖を極力抑え、病気が進行しないようにします。

C型肝炎

C型肝炎は、C型肝炎ウイルスが原因となって発症する病気です。過去には輸血や注射針の使い回しによって感染することもありましたが、現在ではほとんどありません。しかし、長期にわたる血液透析、性的接触、刺青、違法薬物の注射、個人で行うピアスの穴あけなどで感染することがあります。ウイルス性肝炎のタイプはいくつかありますが、その中でもC型肝炎は最も慢性化しやすいと言われています。その場合、肝硬変や肝がんといった肝疾患を発症する確率が高まります。そのため、主にインターフェロンフリーの飲み薬を服用し、C型肝炎ウイルスを体内から排除していきます。

非アルコール性脂肪性肝炎

非アルコール性脂肪性肝炎は、不摂生な生活習慣などによって起こりやすくなる病気のひとつです。脂肪性肝炎というと「お酒を飲みすぎる方に起こる病気」と考えている方も少なくないようですが、実際には、ほとんどお酒を飲まない人も脂肪性肝炎になります。食べ過ぎや運動不足などによって内臓脂肪型の肥満になると、非アルコール性脂肪性肝炎のリスクが高まり、その後、肝硬変や肝がんへと進行することもあります。当院では、お薬による治療とともに、食事療法や運動療法も取り入れて治療を進めていきます。

肝硬変

慢性肝炎などによって肝臓が継続的に障害を受けていると、徐々に肝臓が線維化していき、肝臓が硬くなっていきます。このような状態が「肝硬変」です。B型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルスの感染、脂肪肝、アルコール性肝障害、非アルコール性脂肪性肝炎、自己免疫性肝炎などが原因となります。肝硬変になっても、初期の段階では自覚症状がみられないこともあります。しかし、病状が進行していくにつれて、全身のむくみ、黄疸、腹部の膨満感、尿量の減少、嘔吐、腹水などの症状が現れます。肝がんなどを発症するケースもありますので、きちんと医療機関を定期受診することが大切です。