季節性感染症に
ついて
- 春によくみられる感染症
- ロタウイルス感染症、溶連菌感染症、水ぼうそう など
- 夏によくみられる感染症
- プール熱、手足口病、ヘルパンギーナ など
- 秋によくみられる感染症
- 伝染性紅斑、流行性耳下腺炎 など
- 冬によくみられる感染症
- インフルエンザ、溶連菌感染症、ノロウイルス感染症 など
春によくみられる
感染症
春先から初夏にかけた時期は、ロタウイルスによる感染症がよくみられます。乳幼児期のお子さんに腹痛、水のような下痢、吐き気、嘔吐などの症状が起こった場合、この病気の可能性が高いです。人によっては脱水症状がひどくなってしまい、入院が必要になることもあります。溶連菌による感染症は、1年を通じてみられますが、小児期のお子さんが春先にかかり、保育園や幼稚園などで集団感染することもあります。また、成人が罹患することもあります。水ぼうそうは、乳幼児期を中心として、以前は非常に多くみられた感染症です。春などに集団感染するケースもあります。
夏によくみられる
感染症
プール熱は、アデノウイルスが原因となり、プールなどで感染することが多い病気です。5~7日程度の潜伏期間を経て、発熱、喉の痛み、目の充血、めやになどの症状がでます。患者さんのなかには、腹痛や下痢に悩まされることもあります。手足口病は、手足に水ぶくれができたり、お口の中に発疹ができたりするウイルス性の感染症です。口腔内の痛みで食事が思うように摂れなくなり、体調を崩してしまうこともあります。ヘルパンギーナも、夏によくみられる感染症です。2~5日の潜伏期間を経て、高熱や喉の痛み、嚥下痛、頭痛などの症状がでます。
秋によくみられる
感染症
伝染性紅斑は、ヒトパルボウイルスB19による感染症です。5~10日の潜伏期間を経て発症し、発熱、倦怠感、頭痛、筋肉痛などの症状が現れます。その後、両頬が赤く盛り上がってくるため、この見た目から「リンゴ病」とも呼ばれています。通常は、安静にしていることで快方に向かいます。流行性耳下腺炎は、「おたふくかぜ」とも呼ばれている感染症であり、多くは両側の耳下腺が腫れていきます。水や食物を飲み込むときに痛みを感じるため、食事がとれなくなったり、脱水症状が起こったりすることもあります。なお、おたふくかぜの予防接種は任意となっていますが、なるべく接種されるようお勧めします。
冬によくみられる
感染症
冬の寒い時期には、インフルエンザが大流行することがあります。普通の風邪症候群とは異なり、急に38℃以上の高熱が出てしまい、関節や筋肉の痛み、頭痛、全身倦怠感、食欲不振などの症状が強まります。また普通の風邪と同じように、くしゃみや鼻水、鼻づまり、喉の痛みなどに悩まされることもあります。しばらく安静にし、栄養のある食事をとることで次第に症状が落ち着きますが、事前にインフルエンザワクチンを接種し、罹患リスクを下げるようにしましょう。
ノロウイルス感染症も、冬季から春先にかけて、よくみられる感染症です。1~3日程度の潜伏期間を経て発症します。発熱がみられることはありますが、あまり高熱にはなりません。しかし、胃腸に影響が出てしまい、激しい下痢や嘔吐、腹痛が起こります。比較的に軽い症状で治癒するケースもありますが、乳幼児や高齢者では下痢などによって脱水症状が生じることもあります。病気の間は、しっかりと休息し、こまめに水分補給するようにして下さい。